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【読書】アルゴリズムが世界を支配する を読んでみた感想

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数年前から、人工知能とかビッグデータとかいうキーワードを頻繁に見るようになってきていると思います。しかし、このようなキーワードの次のステージとして『自動化』というものが、やたら多く目に付くようになってきているとも思います。
 
自分みたいなギリギリ昭和生まれのゆとり世代では『自動化』というキーワードを聞くと生産工場なんかにあるベルトコンベアーなんかを思い出したりしてしまうのですが、実際はかなり進んでいて、例えば最近だとアメリカのフォード・モーターは2021年まで完全自立走行車を数千台提供すると発表しています。
 

 

しかし、この『自動化』というキーワードは、読んで字のごとく人間が手を加えずとも「自ら動く」ということ。では何が手を加えるのか?その背景には必ず『アルゴリズム』が存在するということ。本著はそんな『アルゴリズム』の歴史とブレークスルーを分かりやすく追った名著だと思うので是非紹介したいと思います。 

構成

本編は序章から始まり、第1章〜第10章、その後謝辞と訳者あとがきの順番でで構成されており、現在の『アルゴリズム』の歴史と現状そして未来を分かりやすく詳細に記されている。 

みどころ

本書の始まりは『アルゴリズム』の暴走の説明から始まっている。特に、代表的なものとして、2010年5月6日にアメリカの代表的な株価指数を発信しているダウ工業30種平均株価の値動きが突如として「説明できない不可解な状態」になっていく。

いわゆる『フラッシュクラッシュ』という世界を震撼させる事件が起こるのだが、その原因を引き起こしたのは、一人の男による悪質な高速取引だったということ。

jp.wsj.com

たまに、株関係のブログなんかを見ていると「アルゴが何故か反応して日経オワタw」とかいうものを見たりするんですが『アルゴリズム』と『金融市場』というものは、密接に絡んでいるのがよく分かると思います。

上記にリンクしている事件は正にその関係性を顕著に表していると思います。

今でこそ数学者や物理工学者などが金融市場において『アルゴリズム』を構築していることは珍しいことではないですが、その関係性を密接にしたキッカケを作ったのがトーマス・ピーターフィーという一人の青年だったことを忘れてはいけないと思います。

第1章ではそんなトーマス・ピーターフィーについて物語が始まっていくのだが、個人的にはこの第1章だけでも十分に読む価値があると断言できます。

 

1987年のある日、ナスダックから来た一人の検査官がトーマス・ピーターフィーの元へ訪問する。その理由としては当時駆け出しだったトーマス・ピーターフィーが金融市場でメチャクチャ勝ちまくっているためだ。その理由を突き止めるために検査官はトーマス・ピーターフィーの元へ行くんですが、検査官はこれから目にするであろう屈強な男達が騒然としたオフィスで取引をやっている熱気に負けることがないように気を引き締めているんだが、その気構えは「混乱」というものに変わってしまう。

なぜなら、検査官がトーマス・ピーターフィーのオフィスに入った瞬間に目にしたものは、IBM 社製のコンピュータ1台だけだったからです。当時のトレーディングルームは電話が鳴り響き、屈強なトレーダー達が互いに大声で叫びながらナスダック端末に売買注文を入れてるような人を介してのやり取りがまだまだ全盛期の時代。

そんな時代にもかかわらずトーマス・ピーターフィーのオフィスにはみんなが持っているナスダック端末に繋がっている IBM 社製のコンピュータが1台しかないのだから、そりゃー誰だって混乱するよね。

しかし、検査官からすると「そりゃズルだ!!」みたい感じに思われるわけでして、規定違反と言われてしまうだが、それをクリアするトーマス・ピーターフィーのアイデアがクソオモシロくて「これって、本当の話なの?」と思ってしまうくらいクレイジーなことをやっていくんです。

トーマス・ピーターフィーの話は本当にオモシロく、もしかしたら映画になってもおかしくないと思うんで「アルゴリズム?何それ?」って思う人は是非この第1章だけでも読んでみてください。

感想

最近では、人口知能や AI など頻繁に聞くようになっていたが、これらを動かすものの背景にあるものは『アルゴリズム』なんですよね。最近ではホリエモンが「人の仕事はなくなる」みたいな事を言って物議を醸し出していたりするんですが、そんなホリエモンが言ってる事は現代社会へのディスではなくて、現代社会なんだと個人的には思っております。

話は戻して、本書では他にも参考になる内容が数多く記されております。今日、私たちの生活圏のありとあらゆるものが自動化されようとしているなか、その背景にある『アルゴリズム』がどういう存在なのかは知っておいたほうがいいと思います。

あと、この本はなぜか(2016年8月19日現在)では Kindle で買うと500円前後で読めます。この値段でこの内容はハッキリ言ってお得だと思うので是非早めに購入することをオススメします。

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