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【読書】ヤンキーの虎―新・ジモト経済の支配者たちを読んでみた感想

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自分が本著の著者である藤野英人さんを知ったのは2014年8月に日本版の『Forbes』が創刊されたときだったんですよね。今も手元にあるんですが、その 『Forbes』の枠で『MONEY & INVESTMENT』 という枠があるんですが、この中で藤野さんが「黄金の国ジパング-最高の10年-がやってくる」みたいな記事を書いていて、日本株のファンドマネジャーと VC の視点で当時の起業家と投資家の両面から見た立場を分かりやすく書いていたんですよね。

それからというもの経済や政治に特化しているキュレーションメディアである「Newspicks」なんかでも結構参考になることをコメントされているのを目にしておりました。そんな藤野さんが地方経済について記した本著ですから、前から少し気になっていたので読んでみましたが案の定参考になりましたので紹介したいと思います。

構成

本編は序章から始まり、第1章〜第5章に分かれており最後に著者のあとがきで構成されている。第1章〜第2章では『ヤンキーの虎』の誕生とその実態が記されており、第3章では『ヤンキーの虎』が行っているビジネスの戦略や考え方が記されている。そして第4章では『ヤンキーの虎』の未来とこれからの日本経済について著者の藤野英人さんの主観で解説している。 

あらすじ

2013年の流行語大賞で『さとり世代』という現代の若者を指すキーワードを浸透させた第一人者である博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー原田曜平が、その翌年に定義した概念に『マイルドヤンキー』という言葉があります。まあ、知っている人もいると思うんですが簡単に『マイルドヤンキー』を説明すると、良い言い方をすると地元を第一に思い、都会などへの憧れもなく、地元の仲間を大事に思う若者のことを指すんですが、悪い言い方をすると、低学歴で目標が低く地元にある大型ショッピングモールで休日を過ごし EXILE が大好きな若者を指しているらしいです。(自分は Wiki を見て記載しているだけなので恨まないでくださいね...汗)

そんな『マイルドヤンキー』をまとめあげ、地方経済を支えている者を『ヤンキーの虎』と定義してその実態を詳細に記したのが、今回紹介するこの本。衰退していく地方経済を牽引していく『ヤンキーの虎』の実態と現状、そして『ヤンキーの虎』の未来を分かりやすく解説しております。

ここは見てほしいところ

ありきたりではございますが、やっぱり第2章の株式会社ファーストグループ(天理工業)代表取締役社長の藤堂高明氏の話ですね。7,000 万円の赤字を抱えて廃業寸前まで追い込まれた実家の自動車整備工場の経営を先代の父から受け継ぐことになった藤堂社長が売上高30億円を超える企業に変貌させるまでの軌跡なんですが、ハッキリ言って泥臭いお話なんですよねこれが。

もちろん、藤堂社長の斬新なアイデアや堅実なビジネス戦略は並大抵のものではないことは分かってはいますが、そのような方でも最初は苦労しているんですよね。例えば藤堂社長は 7,000 万円の赤字をどうにかしようと会計士に相談するんですが、そのとき会計士に言われたのが「簡単だよ。従業員を全員クビにすれば 9,000 万円浮く。毎月 20 万円使っても使い切れないよ。」と言われて悔しくて仕方なかったらしいんです。

そんな悔しい思いした藤堂社長は従業員を「1人もクビにしない」 という思いで、様々な改革を打ち出していくのですが、そこで待ち受けていたのがなんと社内からの反感なんですよね。いやー、もう自分みたいに薄っぺらな人間は「助けてあげてんのになんなんだよお前は!」みたいな気持ちになって自暴自棄になりそうなんですが、藤堂社長はあろうことか自分自身を見つめ直すんです。

「結局今の環境を選んだのは自分。もう他責から卒業しよう。」

こんなマインドになるまでに、自分の場合はあと何十年かかるのでしょうね...。経営者って孤独を友にしてないと務まらないと思うのですが、自分の場合は仕事で嫌なことがあるといつも他責しているんで上記のようなお言葉は耳が痛いでございますよ(苦笑)

話は戻して、自分が藤堂社長がやっていることで一番参考にした点としてあげたいのが業界の価値を可視化しているところだと思うんですよね。どういうことかというと、例えば、自動車整備業界って市場規模は5兆5000億円もあるんですよね。もちろん、その分全国に9万工場も業者がいるのですが、市場規模としてはかなり大きいんですよね。(知らんかった)

しかし、そんな市場価値なんか一切興味ないであろう経営者は当然のごとく数多く存在しているのも事実。「会社が傾くのはお前のところのせいだ。」とか「国や行政がの方針が悪い。」と不貞腐れる企業に対して、まず業界の存在価値を正しく伝えて「一緒に盛り上げていきましょう」と背中を押してこられると、胸にこみ上げてくるものがあると思うんです。そういう泥臭い戦略ってホント素敵やん?

感想  

自分は今年で28歳になるんですが、上で紹介した『さとり世代』や『マイルドヤンキー』のどちらにも当てはまるのではないかと思います。もっとも『さとり世代』よりも、少し前に流行った『ゆとり世代』の方がピンとくるキーワードではあるが、『マイルドヤンキー』というキーワードに当てはまる方は自分の地元である熊本にもたくさんいらっしゃいますね。彼らは本当に地元意識が強く、地元から出て行った者に対して懐疑的に見てくるもんなんだよね。

実際に自分も知り合いの『マイルドヤンキー』の友達に一度だけ「カバオは地元を捨てたやつやけん」みたいなことを言われてディスられた記憶がある。そんな彼も地元ではまあまあ有名な『ヤンキーの虎』である M さんが経営している飲食店で働いているんだが、実は自分は 16歳くらいのときのアルバイト先でこの M さんと話をしたことがある。

このアルバイト先には地元の飲食店組合の方たちがよく利用するお店でもあったので、地元の飲食店を経営する経営者(いわゆる一人親方みたいな人)が一同に集まる時が多々あった。

当時の M さんは新参者で物凄く腰が低く「自分は◯◯市を盛り上げたいんです!」みたいに熱く語っていたのと「明日から天神に流行りのお店ば見に行くとやけど、カバオくんはそのお店知っとる?」とかなんとか言われて「この人、いつも新しいお店とか行って飲み歩いて楽しそうだなー」とか思っていたのを覚えています。

あれから10年位経つのですが、そんな M さんが経営するお店は地元だけでなく隣町にも進出しているらしく、飲食店以外にも進出しているらしいです。自分も地元に帰った時に M さんが経営する居酒屋に行ったのですが、やっぱり内装とかオペレーションとか他の店と全然違うんですよね。それこそ、都心にあるようなお店を演出していて、お客様の目線をよく捉えているなーと感心してしまいました。

このような差別化をする経営者って、情報のインプットにも積極的に金を払うし、失敗して大怪我しても屁でもないんだよね。むしろ、「こうやったら失敗したから、次はああいう方法でやれば失敗しなくて済むな」という考えに至る方が多い。

なので、『ヤンキーの虎』って何もやらないということが一番のリスクという一番基本的な部分を念頭に置いて日々切磋琢磨しているのではないかと思う。

本著を読んだ人も読んでない人も、今いる自分の業界と自分が勤めている会社が置かれている立場を冷静に分析してみることをオススメします。そして、その後自分が何をすべきかを本著に記載されてある『ヤンキーの虎』が辿った軌跡を参考にしてみてください。

意外と解決策がありまくりなので、仕事もオモシロくなってくると思います。

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