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東京インスパイア

都内で働く高卒リーマンの記録

新橋であった耳かき店員ストーカー殺害事件の話をしようと思う

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先日、あるニュース番組で小金井市で起きた『アイドル殺害未遂事件』の犯人である岩埼友宏容疑者に対して、東京地検立川支部は精神鑑定の結果「刑事責任能力がある」と判断して起訴する内容を発表したと放送されておりました。

自分はこのニュースを偶然見ていたのですが、この手の事件を見ると、7年前の2009年に新橋で起きた『新橋ストーカー殺人事件(通称:耳かき店員殺害事件)』を思い出してしまうんですよね。というのも、殺害された店員(源氏名:えりな)さんは事件が起きる少し前くらい前に自分を担当してくれて色々と話をしたのを覚えているんですよね。

このニュースを見て当時の状況と自分がこの事件を通して思ったことなどを少し思い出してみたので、記録しておきたいと思います。

当時の自分の状況

この事件が起きたとき、自分はまだ21歳で、2度目に上京して3年くらい経った頃でした。その当時の自分は成田の超絶ブラックな会社でトラック運転手として働いていたんですが、会社の社長が夜逃げしてしまったんですよね... なので、今後どうするか考えていたら、当時自分が担当していたお客様から「よかったら、ウチで働いてみないか?」とお声がけをいただきまして、それからその会社に入社して3ヶ月ほど経ったくらいだったと思います。

そのときの自分は社会人経験も浅く、今でこそ IT 企業の営業職として働いておりますが、そのときはネクタイの結び方も知らないし、言葉使いもままならないクソガキでした。なので、よく最初の頃は怒られておりましたが、みんな優しくしてくれて楽しかった記憶があります。

そんな感じで、少しづつ仕事にも慣れてきたとある日のこと、部長である M さんから「今度、時間があるときに秋葉原に行かない?」みたいなことを言われました。話を聞くと、少し前に NHK でお客様の耳を専門に掃除する耳かき店が紹介されていたらしい。

その店は『山本耳かき店』と呼ばれていて、小町と称される従業員の女の子が浴衣を着て、来客するお客様の耳を掃除するサービスを提供しているということで、当時の自分は「なんとも不思議なシステムだなー」と思っておりましたが、まだ若いこともあって「うわー、それ行ってみたいかもw」みたいなことを M さんに伝えました。 

実際に『山本耳かき店』に行ってみて思ったこと

それから少しして、M さんと秋葉原で飲むことになった。当然だが自分も M さんもお目当ては『山本耳かき店』に行くことだったので、飲むといっても牛丼屋で並盛りとビールを掻き込んでからいざ出陣という感じだった。でも、当時お酒が弱かった自分はこの時点で少し酔っ払っていた。

そんな感じで食事を済ませた自分たちは『山本耳かき店』に到着した。このとき気付いたのだが、どうやら M さんは『山本耳かき店』の秋葉原店のリピーターだったみたい。(スタンプカードみたいなものを持参していた)聞くとお気に入りの小町がいるということらしく、この日もその子を指名するとのことだった。

ちなみに料金は基本料金(30分)が 3,000 円前後くらいで、1 時間での料金が 5,000 円前後くらいだったと思う。また、指名料は 500 円くらいだったので、自分はお試しでいいと思っていたので 3,500 円前後だったと思う。

そして、いざ店内に案内されたのですが、店内がスダレのような物で仕切られていて、意外と安価な感じだったのをよく覚えていますね。隣で耳かきされている客なんかも普通に見ることができたし、話声も聞こえてきたんですよね。なので、自分なんかは声が大きいので、話声がモロに店内に漏れていただろうね...

えりなさんと交わしたやりとり

そわそわしているなか、いざ小町が出てきた。このときに相手してくれたのが、事件の被害者である『えりな』さんだった。ちなみに『えりな』さんは当時1番人気の小町だった(初見にNo.1をつける所はキャバクラと変わらない)。しかし、そんな事はどうでもよかった自分は若いこともあって、「お触りくらいはええやろ〜w」と勝手に思い込んでいた。以下は自分が記憶しているやりとり。

 

カバオ「ちょっと胸触らしてよ~w

えりなさん「ダメです(キリッ」

カバオ「じゃあメアド教えて~w

えりなさん「それも、ダメです(キリッ」

カバオ「なんだツマラねーなw

 

みたいな感じで、その後も何回か絡み続けていたが、ずーっと断れ続け、ついには酔いが醒めてしまったんです。そして、何故か途中で小町の給料の話になったんですよね。

 

カバオ「てか、いくら貰ってんの?」

えりなさん「そうだね~、大体このくらいかな~」

 

っとえりなさんは言うと、その場にあった紙に金額を書いて自分に見せてきたのだが、その金額を見て自分は驚愕した。だって 60 万円 って書いてあるんですもん... 

 

カバオ「スゲーなてか、何でそんな貰えんの?」「No.1だから??」

えりなさん「私を指名してくれる人が太っ腹なんだよね」

カバオ「へ~。てか、今いくつよ?」

えりなさん「21歳だよ!お兄さんは~?」

カバオ「マジで?俺も21歳だよてか、同級生とこんなに収入で開きがあるなんてマジ凹むわ~」

えりなさん「そんな事無いよ!でもまあ色々あってね

カバオ「えっ?なに色々って?!」

えりなさんやっぱり、テレビとかで紹介されるようになって変な客も多くなってきたんだよね」

カバオ「それはしょうがないでしょ?」

えりなさん「そうなんだけどね私も最近までストーカーされていて暫く来てなかったんだけど、やっと少し落ち着いたから久しぶりに出勤したんだよね」

みたいな感じで、当時えりなさんの身の周りに起きている話を聞かされた。その話によると、ものすごくしつこい客がいて指名されてから1日中対応に追われていたらしい。そして、次第にお店ではなくお店の外で会うことを要求するようになってきたので『山本耳かき店』側としては出入禁止の対応をとったらしい。ただし、自分は彼女に対して「自己責任」を念頭に次のような言葉を交わした。

カバオ「へ~、でもこんな事やってるならしょうがなくね?」「イヤなら辞めればいいじゃん?!」

えりなさん「そうなんだよね...だから最近は職変えようかなっと思って」

カバオ「へ?、何すんの!?」

えりなさん「ん~、キャバとかかな~」

 ここで自分は思わずえりなさんに

「てか、お前こういう業界で働くの辞めなよ。

 っと、つい怒り口調で言ってしまって、気まずい雰囲気になってしまった。もっとも、なんで自分がそんなに怒ったのか未だに分からないんですが、場の雰囲気が自分の発言によって一瞬で凍りついたのをよく覚えています。

それから5分くらい、えりなさんとあまり話もすることなく時間終了。最後にえりなさんから「また、待ってるからね」的な営業トークをされたんですが「時間があったらねー」的なことを言って店を後にしました。 

事件発覚

そして、それから少し経ったある日の夜に M さんからメールが来た。

NHK見て!」

なんだろうと思いテレビを付けてみると、そこにはあの事件の様子が流れていた。自分はそのときよく状況が飲み込めず「この前行った所じゃん?タイムリーだなー」くらいにしか思っていなかったのですが、その後のメールで目を疑った。

亡くなった子はこの前、カバオの担当していた子だよ

このメールを見たとき、大きなグローブでお腹をドスーンと打たれたような衝撃だったが、ふとネットで事件の概要を検索すると、自分が話していたえりなさんの写真がアップされていた。そして、このときにようやく彼女が犠牲になったということを飲み込むことができた。それと同時に「もう少し親身になって話しを聞いてみるべきだったんだろうか…」という気持ちになったのをよく覚えておりますが、所詮親身になったところで結局はお客なんですから、どうする事も出来なかっただろうなと今更ながらに思います。

「耳かき店員殺害事件」はメディアでも大きく取り上げられていて、犯人の日常生活からは考えられない残忍性と元々は客だった男がストーカーになり犯行に及んだということを中心に報道されていた。

 

      

      

      

この事件で自分が思ったこと

話しを冒頭の『アイドル殺害未遂事件』に戻しますけど、やっぱりこういう事件って未然に防ぐことは難しいんだろうと思います。例えば『耳かき店員殺害事件』もお店側も結構バッシング浴びていたと思うんですが、お店側だって犯人に対して来店拒否したりしてるんですよね。全然話しは変わりますが、AKB48 のメンバーが襲撃された事件だって一応セキュリティは万全にしてたはずなんです。それでも、やっぱりああいう事件が起きてしまいます。

個人的には身近にああいう事件が起きてしまうと、日常生活って「死」と紙一重だなと改めて思うようになり、普通に生活できることに感謝するようになりました。それと同時に他人を使って承認欲求を満たすこようなこともやめました。Twitter や Facebook 、LINE の既読に至るまで、期待すればするほど承認欲求が高まります。でも、それは自分自身の問題であって他人は関係ないからね。

期待を裏切られた人間は恐いもんです。だったら、日頃から期待しない・期待させないという心構えで日々を過ごせば自分自信も他人も無意識に救われるんではないかとこの事件を通して思った次第です。