東京インスパイア

都内で働く高卒リーマンの記録

不動産の営業マンに転職したがキツくて三日で退職した話しをしようと思う

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先日、28歳の誕生日を迎えたカバオです。一昨年あたりからか、自分の年齢を意識しないようになってきて、心のどこかで「26歳〜28歳くらいやったっけ今って?」みたいな感覚で日々過ごしております。なので、誕生日のときに第三者から「28歳誕生日おめでとう!」と言われるようになって、「あー、今年で28歳になったんか俺...」と毎年、現実と向き合うようになります(汗)

まあ、たくさんの人からメッセージをもらうこと事態は大変嬉しく思ったりもするもんですが、今年はある意外な人からメッセージをもらっているのを見てビックリしました。

その方は T さんといって、自分が24歳くらいのときに転職した不動産会社の役員の方だったんです。ちなみにその不動産会社を自分はキツくて3日で退職しているのですが、あれから4年近くが経っているので、あのときの自分と今の自分を照らし合わせながら記録していきたいと思います。

不動産の営業マンに転職するまでの背景

当時の自分はアパレル商品を配送する専門の運送会社でトラックの運転手をやっていました。給料は特に問題がなかったんですが、勤務形態がアルバイトだったということもあって時給制だったんですよね。なので、能力の有無に関係なく遅くまで仕事すれば、当然給料に反映されるので「なんか、そういうのってどうなんやろー」って思うようになってたんですよね。

もっとも、仕事は嫌いではなかったんですが、勤務時間によって給与金額が左右されるよりも、能力を評価してもらって対価をもらったほうがいいのではないかという気持ちが次第に強くなってきたんです。「まだ20代前半なんだから、まだまだ挑戦して失敗してもやり直しがきくやろ?」的な感じですね。

それともう一つが、この頃お付合いしていた彼女と結婚を意識していたのですが、一向に両親に合わせてくれなかったんですよね。「なんで、合わせてくれねーの?」っと何度問い詰めても全然答えてくれなかったんです。

そんな、ある日のこと、些細なことで激しく喧嘩したときの流れで改めて問い詰めたんですよね。そしたら彼女の口から重いひと言が。

「いや、カバオってアルバイトじゃん?そんなやつをどうやって親に紹介しろっていうの??大体、私からこんなこと言わせんなよ」

いやー、このときばかりはビックリしましたね。でも、一般的な女性だったらそういうこと気にするのは当たり前ですよね。そんな、彼女の話がくすぶっていた自分の気持ちを後押ししたのもあって転職を決意しました。

不動産の営業マンに転職を決めたワケ

今も昔も自分はやりたいことがまったくありません。しかし、当時はホリエモンの『拝金』を読んだ影響で「金や!金さえあれば何でもできるんや!!」という気持ちが先行し、稼げる職種を探しました。

そのとき、色々な転職サイトを見ている中で、株式会社学情が展開していた『Re就活』から新着の求人案内が届いてきました。その中で以下のような文言が書かれた会社に思わず目を奪われたんですよね。

  • ◉業種未経験大歓迎!! 
  • ◉高卒以上!!
  • ◉職種職歴一切関係ナシ!!
  • ◉20代前半の方を積極採用!!
  • ◉週休2日制!!
  • ◉勤務時間9:00〜17:00(※就業後プライベートを優先できます)!!
  • ◉入社3年目で年収2000万円を目指せます!!

もう怪しいニオイがプンプン丸なんですが、当時の自分は情弱も情弱。この求人を見たとき「これや!」っと思い速攻で応募しました。なんたって2,000万ですからね(笑)

そして、応募したあとに業務内容を見ると、そこには「中古マンションを買い付けて販売する」的なことが書いてありました。「中古マンション?まあ、なんや分からんけどおもろそうやん!」という謎なテンションになったの覚えております。(若いってコワイ...)

応募してすぐにその企業から「1週間後に面接するので◯月◯日の17時に履歴書を持って来てください」と返事が来たので、面接日を休みのシフトにしてもらいました。

2000万プレイヤーへの面接

そして、いよいよ面接の日。一次選考は集団面接だった。面接は結構和やかな感じで始まった。自分は不動産屋の知識はまったく無かったので不安だったんですが「君、サッカーやってたの?フットサルできる??」と言われたので、「はい!!」と元気よく答えて「いいねー!」と言われたので、「これ受かったな(笑)」っと内心思いました。

ちなみに、このときに質問した面接官が冒頭で誕生日のメッセージをくれた役員の T さんだったんです。この方だけは辞める最後までめちゃくちゃいい人でした。

話を戻して、この面接で違和感があったのが、ある一人の応募者が「有給とかって出るのでしょうか?」とか「残業はまったく無いんですよね?もし、あるなら残業代は出るんでしょうか??」とか質問する度に、面接官が「イラッ」としていたのが伝わりましたね。ただし、そのやりとりを見ても自分は「多少の残業ならどこでもあるやろ?」って感じ大して気にしておりませんでした。

もうこの時点で「年収2000万円もらえるんやったら多少の残業なんて容易いもんやろ!」っていう意識になっていたのを覚えています。(ホント、若いってコワイ...)

面接が終わって 3日目くらいに二次選考の案内が来たので、「いよいよ俺も年収2000万円プレイヤーかー」っという気持ちになり、年収2000万円もらって何をやろうかと真剣に考えるようになってました。

それと並行して、トラックの会社もいよいよ辞めるんだなーと思い、親しかった先輩に「自分、不動産屋に転職決まりそうですw」って言いふらすようになり、「マジで?大変だと思うけど頑張って!」と言われ、部門長にも「不動産屋に転職活動してて、一次受かったんで、もしかしたら辞めるかもしれません...」っと退職するかもしれない旨を伝えました。

部門長は「お前急すぎだよ...人がいねーんだから、有給は取んなよ!」っと言ってきましたが、自分は辞める気満々でしたので、適当にあしらってました。なぜなら心はすでに2000万プレイヤーだったからです。(ホント、若いって罪...)

そして、二次選考の当日、再び不動産屋に足を運びました。 A さんというインテリヤクザみたいな出で立ちの方が立ち会ってくれたのですが、挨拶もそこそこに初っ端から A さんは「カバオくん、採用するからさ、明日から来れる?」と言ってきました。

「明日なんていきなりすぎるやろ?!」っと内心思ったのと同時に自分は完全にテンパって10秒くらい沈黙。その間にも自分を品定めするように見てた A さん。だが自分は「いやぁー、明日は無理ですね...今の職場にも伝えてないのですぐには無理です...」と伝えました。

すると A さんは「カバオくん?こういう決断は早くしないとダメだよ」っと呆れた顔をして言ってきました。自分は採用される前から印象を悪くしたくないと思い、苦し紛れに「じゃ、じゃあ2週間後だったらどうでしょうか?」っと伝えました。すると「2週間かー、まぁいいだろう」と言った A さん。「あとは総務から連絡がいくと思うから、その案内に従って」っと言って二次選考は終了。

A さんは面倒くさそうにエントランスまで自分を見送るとすぐに社内へ戻りました。ここまででおよそ5分。

このときの強烈な違和感は今でも覚えております。しかし、自分は「年収2000万円プレイヤーは1分1秒も無駄にしたくないんだろうなー」っと相変わらずバカみたいなことを考えてました。(若さよりも自分がバカすぎてコワイ...)

その後、トラックの会社に正式に辞めると伝えました。有給が1週間くらい残ってたので、「1週間出勤して、1週間有給取ります」と部門長に伝えると「お前ふざけるな」とマジギレ。ただし、自分もここは引かずに対抗。最終的にはセンター長が出てきて「お前なめてんのか?」とか言ってきましたが、自分は絶対に引きません。そのうちセンター長は面倒臭くなってきたのか「わかった。もう顔も見たくないからお前の好きにしろ」と言ってきたので、1週間仕事して1週間有給を取りました。

ちなみにこの有給の1週間を使って、ベトナムに旅行なんかしちゃったりして、ちゃっかり楽しんでいました。間際に決めたのでめちゃくちゃ金がかかったのですが、「年収2000万円プレイヤーになるんだから、こんな金が屁に感じるんやろなー」っと思ってた自分を覚えています。(これ、ウソではなくホントですからね...)

そして、その間に彼女にも不動産屋への転職が決まった旨を伝えました。彼女はめちゃくちゃ喜んでいましたね。「お母さんとお父さんにもカバオが転職が決まったこと伝えるね!」とかなんとか言って「結婚式どこで挙げようかー!?」なんて飛躍した話をしてましたね。(イタすぎる...)そして、いよいよ初の出勤日を迎えました。

入社してから3日で退職するまで

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1日目(初日)

初の出勤日は「8時45分には来てくれ」と総務の方から事前に言われていたので、その通りに来た。そのときに社内ではほとんどの社員の方が出勤していました。「やっぱり、年収2000万円プレイヤーになるためには朝早くから来ないとダメなんやな」っと誤った解釈をしていた自分。

その後、8時55分くらいに社内清掃が始まりました。みんな黙々と掃除に打ち込んでいたのですが、その中の何人かは死んだような目をしながら掃除をしていましたね。そして、いよいよ9時から全体朝礼で自分が紹介されました。「カバモトカバオです。不動産業界は右も左も分かりません。皆様にはご迷惑をおかけするとは思いますが、一生懸命頑張ります!」っと声高々に発し拍手を浴びました。

その後も朝礼は続いて、各セクション毎の売上報告を発表する時間になりました。そのときです。「お前、いつこの売上達成すんだよ!」とか「お前何しに会社来てんの?」など、激しい怒号が一方的に社員に向かって投げかけられておりました。その怒号の中で、一番声が大きかったのが二次選考のときに自分を面接した A さんでした。達成しないと毎日言われるんだろうと思うと胸が締め付けられたのを覚えています。(同時に胃もキリキリ)

朝礼は最後に過去の偉人のお言葉みたいなものを唱和する時間がありました。このときは松下幸之助のお言葉だったのを覚えております。その後、朝礼の司会者が『1分間スピーチ』みたいなものを発表するのですが、その内容も自己啓発のようなもので「自分が売上を達成するにはこういうマインドじゃないとダメだ」的なことを話して意識を高めていくような感じでした。(自分はこういうのメチャ苦手なんですよね...)

その後、朝礼が終わって配属される部署へと案内されました。その部署には T さんがいらっしゃいました。T さんは「コイツ、フットサルできるらしいから、今度呼ぼうと思っているんだよね」っと他のメンバーに笑いながら話していました。そして、その後「フットサルできるから採用したようなもんだよカバオは!」っと自分に笑いながら話してきましたが自分はどうしていいか分からず、苦笑いしてたのを覚えております。

その部署は求人サイトにも書いてあったとおり、中古マンションや中古アパートなどの物件を安く買い付けて、高く売るという部署でした。「誰が買うんやろ?」とか思いましたが、意外に世の中にはアパート経営とかマンション経営とかで収入を得ようとしている方がいらっしゃるとのこと。1億とか2億とか、あまりにも大きいお金の話をしている光景を見て、かなり場違いなところに来てしまったと思いました。

最初の業務内容は独自のシステムで構築されたリストを元にテレアポしまくる感じでした。そのリストは各自が与えられた PC の中に入っているのですが、自分が与えられた PC は先週辞めた人が使っていたらしく、その人が設定したパスワードじゃないと開かないようになっていたので T さんから「お前、PC とか得意?」と聞かれたので、「まあまあ得意です」と言ったら「じゃあ11時までにパスワード解除やってみて」と言われました。

そのとき自分はホッとしました。なぜなら、テレアポなんかこれまで生きてきて、派遣のバイトでしたやったことなかったですし、その派遣のバイトもあまりにもアポイントが取れず、嫌気がさして、2日目のお昼の休憩中にドタキャンしたんですよね。

アポイントが取れないと「お前、何やってるの?」みたいな空気になってくるので、あの空気がどうしても嫌なんです。それ以来、自分はテレアポだけは絶対にやりたくなかったんです。

なので、PC のパスワードの設定を理由にテレアポをやらなくていいのであれば、「喜んで PC の設定やりますよ!」的な感じでした。それから、11時まではずーっと PC の設定をやっておりましたが、その間に自分の部署の方々を見ていると当たり前ですが、ずーっと電話しているんです。

そして、逐一 T さんに社内チャットツールで報告するんですが、T さんからは厳しいお言葉が飛びます。「午前中に1件も取れないなんてありえねーよ」とか「会話聞いてたけど、今のはやれただろ」などなど。自分はそれを見ていて「うわー、キッツいな...」っと内心思っていたのですが、「まぁ初日だし優しくしてくれるだろう」と思ってたのですが、そんな甘い考えが吹き飛ぶくらいのことが起きます。

それは11時が過ぎた頃、結局 PC のパスワードはどうにもすることができず、結果的には時間を無駄にしてしまったのです。すると、自分の部署の先輩が「カバオくん、何やってんの?できないならできないって言わないとダメじゃん?」と言ってきました。先輩曰く、時間を与えてもらったんだからそれまでに完遂してないのであれば、何もやってないことと同じだと言ってきました。

「そんなこと言われても、俺専門じゃねーし」っと内心思ったが「すみません、以後気を付けます」っと言いました。ただ、今ではこのときの先輩の言葉は自分自身の糧になっております。

そして、いよいよ苦手なテレアポが始まりました。リストには「名前」、「住所」、「電話番号」そして「年収」などが入っており、一番右側に現在のステータスのようなものも書かれておりました。自分だけでも、全部で200件近くあったのを覚えております。

「もしもし、私◯◯のカバオと申します。このたびは資料請求ありがとうございました。◯◯様にまだ公開していない最適な物件を多数ご紹介したく思っております。◯◯様のご都合はいかがでしょうか?

的な電話をひたすら続けていきました。一方的に話をするもんなので、受け手としてはいい気分はしないですよね。ただし、これは話しかたにもよるもんで、さっきの先輩は同じようなことを言っているのに何故かアポイントを取りまくっていました。

そんな感じで、お昼の時間になりましたが、自分は1件もアポイントを取ることができず午前中が終わりました。「ラーメンでも食べいくぞ」と T さんは言ってきましたが「その前にお前、何件アポ取ったの?」と言ってきました。自分は「0件です」答えると「お前、サボってんじゃねーよ」と笑いながら言われました。

ラーメンを食べに行くときも「なんで、取れないかじゃなくて、どうやったら取れるかを考えろ」と言われ「この壁を超えたら、お前の人生変わるぞ」と言ってきました。ただし、自分的にはこの時点でもう面倒くさくなってきていましたね。(だって、アポイント取れ取れうるさいんやもん)

お昼が終わってから、戻るとまたひたすらテレアポ。案の定、まったく取れません。どんどん嫌気がさしてきます。「もう、2000万円プレイヤーなんかなれなくていいから早く家に帰りたい」と初日で思うようになりました。そして、定時の17時を過ぎる頃、「長かった1日がようやく終わる...」と思ったのも束の間、先ほどの先輩が「よし、今から恵比寿に商談に行くぞ」と言われました。「えっ?」と思ったんですが、定時なんてもんは元から存在しないらしく、よくよく聞いてみるとみんな終電まで仕事しているそうです。 

「マジでありえんやろ...」っと思ったのですが、上司と二人で恵比寿に直行。近くの高そうなカフェで商談することになりました。「大阪の1億の物件なんだよね」とか先輩が言ってきたのですが、自分はもうどうでもいいから早く帰りたかった。そんななか、そこにハゲ散らかしたおっさんが来店すると先輩が「お世話になりますー!」っと挨拶して自分たちの席まで案内させました。

意外なんですが、1億とか2億とかの物件を購入する人達って、どこか派手な方が多い印象だったんですが、実際は質素な方が多いらしく「こんなヤツがそんな大金持ってんの?」ていう感じでした。もっともお昼に、T さんが「物件を買う人って、車では来なくて徒歩か自転車で来るから」的なことを言ってたのを思い出してなんだか腑に落ちました。

席に着くなり早速、商談は開始。お客さんも大阪の物件に興味があるようで、結構喰いついていました。その間も自分はどうでもいいから早く帰りたかったのですが、商談も結構長引いて気付いたら20時に。「それでは、◯日にご連絡しますので、その時までに書類のご準備お願いします」的なことを先輩が話しをしてその場は解散となった。

お客様をカフェの入り口まで見送った後「やっと終わったー」っと内心思ったのですが、先輩からとんでもないひと言が...

「ちょっと俺、T さんに報告するからその間テレアポやってて」

「マジか?てか今から電話しても迷惑やろ...」っと思ったのですが、先輩の目は笑っておりません。自分はその場でテレアポを始めました。もうこのとき、心は完全に折れていましたね。その後、自分と先輩は会社に戻り終電近くまで仕事していました。先輩はしきりに「1件でもいいからアポイントを取れ」と言ってきましたが、もう返事する気力すらありません。

その後、タイムカードを押そうとすると先輩が「もう押されてあるから押さなくていい」と言ってきました。自分のタイムカードを見てみると18時頃に退勤の打刻がされており、事実上残業1時間で帰っていることになっていました。このタイムカードを見てもう何から何まで、どうでもよくなってきた自分は重くなった脚を引きづりながら駅へと向かって行きました。

会社を出ると先輩が駅まで一緒に帰ろうと言ってきました。自分は一人になりたかったのですが、断ることもできず一緒に駅まで行くことに。駅まで歩いているときは仕事の話しは一切せずに終始プライベートな話しになりました。「先輩にもこんな一面があるんだなー」っと内心ホッとしたのも束の間、別れ際に「そうそう、明日は朝の7時に来いよ」と言われました。自分は一瞬「?」と思ったのですが、9時出勤というものはそもそもなくて、実際はみんな朝の7時に出勤しているらしいのです。

だから、今日の朝は全員が出勤していたのかと気付き「何もかも嘘やん...」っと思いながら、再び悶々とした気持ちになって、ようやく自宅に到着しました。ちなみに時間は0時を超えていましたね。それからは『思考停止』状態でもう何も考えることができませんでしたが、先輩から社内チャットを通じてメッセージが飛んできました。

「明日の目標アポイント獲得数は何件?」

メッセージにはそう書いてあったので、自分は「1件」と答えて返事しました。その後先輩からは返事はなく、明日も早いし、そろそろ寝ようと思って寝たのですが、なかなか寝付けず気づいた頃には深夜2時を過ぎてました。

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2日目

自分の家から会社まで約1時間ちょっとかかるので、朝は5時頃起きないと7時には間に合いません。なので、 5時に起床しようと思ったんですが、寝坊してしまい起きた時間は5時半でした。このままだと完全に遅刻してしまうと思って、急いで準備して会社に向かいました。

急いで自宅から駅に向かって、なんとか電車にも間に合いました。そのときに電車のドアのガラスを見ると寝グセがそのままでした。もっとも、そんなことなんか考えることもできないほど『思考停止』状態に陥っておりましたので、電車の中でもボーッとしておりました。

そのとき、自分の iPhone が鳴ったので見てみると 彼女から LINE がきて「新しい職場どうー?」と書いてありました。返信する気力もなくボーッと画面を見ていると、既読がついたのを確認したのか「あんまり無理しないでね!」とメッセージが追加されました。このとき、自分は「なんて安易に不動産屋に転職なんかしてしまったのだろうか」と凄く後悔したのを覚えております。

そうこうしているうちに会社の最寄り駅に到着しました。相変わらず重い脚を引きずりながら会社に向かうと、会社のビルの前にはスーツを着た男が何人かいました。そこには先輩の姿も確認することができました。自分は力の無い挨拶をした後に何をしているのか聞いてみると「鍵は役職者しか持ってないんだよ」と返されました。

「朝早く来て、役職者が来るまで待っているなんて鬼やな」そう内心思ったのも束の間、A さんが到着しました。A さんはいつもピリピリしており、このときも自分の寝グセを見て「カバオ、なんだその頭は?舐めてんのか?!」と言ってきました。

ただ自分は返事する気力もなく、無視していると「テメーェ、聞いてんのか!?」っと追い込まれたので「はい聞いております。申し訳ございません。」と返しました。その後、A さんは自分を睨むようにしてそのまま持ち場のデスクの方へ向かって行きました。

そして、出勤のタイムカードを押そうとしたとき先輩が「カバオ、タイムカードは掃除の前に押してね」と言ってきました。「そうだ!今タイムカードを押すと定時じゃないもんねー!!てか、もうどうでもいいわーー!!!」っと内心はノリツッコミをいれつつもう精神崩壊状態。

その後、自分の部署だけ軽くミーティング。今日は T さんは名古屋に出張に行っているとのことで、自分の部署は先輩と自分を含めて4人のスタッフがおりました。そのうちの N さんは今日の朝礼の司会を任されており、いよいよ9時になって N さんが仕切る朝礼が始まりました。

ちなみに N さんは入社して9ヶ月目で、ひたすらテレアポをしていたのですが、全然成果が出ずに社内でもお荷物な状態でした。その N さんの『1分間スピーチ』が始まりました。どんな内容を話したのか覚えておりませんが、みんなの反応は薄かったのを覚えています。そして、朝礼が終わった後に例の A さんが自分達の部署のエリアに来て Nさんに「お前のさっきのクソみたいなスピーチはなんだ?やる気が無いなら帰れ」っと怒鳴りに来ました。

N さんは「申し訳ございません」と言って、A さんのほうを見てました。すると、A さんは「お前らの部署は全然ダメだな。新人(自分)もクソだしどうなってんだよ」とか言い出しました。もっとも、なんで T さんがいないときに言うんだろっと思った人もいるかもしれません。それに自分的には「お前の方がクソだろ」っと内心思っていたのですが、ずーっと下を向いていました。

そんな A さんから激怒された後にテレアポが始まりました。ハッキリ言って全然やる気が起きません。そんな自分に先輩は「カバオ、声のトーンが暗いぞ。もっとハッキリ話せ」と言われたので、精一杯のカラ元気で話しをしたのを覚えています。

その後、アポイントは取れることなく午前中が終了。自分は逃げるように近くにあった『バーガーキング』に駆け込みました。「もういっそ、このまま逃げようかな」っと思ったのですが、そもそも逃げる勇気も無くトボトボと会社に戻りました。

会社に戻って30分経ったくらいでしょうか、先輩が「やべぇな...」っと言い出しました。そして、A さんのところに行って何やらヒソヒソ話しをしていました。そして A さんは「まあ、あいつ宅建持ってたからな。ここじゃなくてもやっていけるだろ」とか言っておりました。その後、先輩が自分たちの部署のエリアに戻ってきて「 N はもう戻ってこないから俺たちだけで頑張るぞ」と言ってきました。そう N さんはバックれたのです。

このとき自分は「やられた...」と思いましたね。それと同時に「あの人も限界だったんだろうな」と考えるようになり、こればかりはしょうがないだろうと自分自信に言い聞かせておりました。その後もずーっと終わるまでテレアポを取っていたのですが、1件も取れません。

そもそも、不動産の知識が無いくせにアポイントを取ろうとすること自体がおかしいよね。でも、それが課せられた使命だから、必死にやっていたつもりでしたが、心は半分にパキッと割れてたね。そして、この日は20時くらいまでにテレアポをやって、先輩が「 T さんを迎えに行くぞ」と言い出し、品川駅まで社用車で迎えに行きました。

品川駅までは自分が運転しておりましたが、もう心が折れかかっていたので、事故らないように細心の注意を払いながら運転していたのを覚えております。

そして、品川駅に着くと T さんと合流。「お疲れさん〜、てかカバオ車の運転できんの?」と言ってきました。「へぇ...」とか気の抜けた返事をしました。そしてそのとき自分は T さんの横にいる女性が気になって仕方がありませんでした。「あっ!これ俺の彼女ね〜」っと言って紹介されました。ハッキリ言ってめちゃくちゃカワイイ子でした。年齢は自分と同じくらいだったと思いますが、佐藤ありさみたいにめちゃくちゃカワイイ子だったのを覚えております。

普通だったらそこで「俺もこの人みたいに稼いでカワイイ女の子と付き合おう!」とか思うもんなんでしょうけど、このときの自分は「この子はカワイイけど早く帰りたい」と思ってました。T さんと彼女さんを会社の近くに降ろして、自分は社用車を駐車場に戻した後、会社に向かいました。

会社に戻ると T さんが「カバオ、今日はもう帰っていいぞ」と言われました。自分は思わず「はい!」っとこの日一番の笑顔で返事をして速攻で家に帰りました。そして、家に着くなり彼女に電話して「もう俺は無理だから辞めるわ」っと言ったら「それはしょうがないね。辞めたほうがいいよ」と案外あっさりと返されたのを覚えております。

そして、この日は夜中1時位まで夜更かししていました。もう心の中では「明日辞めるからどうでもいいわ〜w」的に思っていたので、ある意味?安心して眠ることができました。

3日目(最終日)

ふと目が覚めると、昼の12時でした。思わず会社から支給された iPhone に目をやると、そこには夥しい数の不在着信が会社から入っておりました。自分は「やべー、どうしよ...」と思っていたのですが「このままシカトでOKやろ?」って感じで新宿スワンを読んでました。(ホント、クソガキですよね...)

その間もずーっと iPhone はなっておりましたが、14時くらいでしょうか。

「ピンポーーーーーン」

と自宅のチャイムが鳴りました。恐る恐る玄関の穴を覗くと、そこにはもう一人の先輩だった O さんがいました。前日の自分は玄関を開けたままにしていたらしく、O さんはドアを開けて中に入ってきました。

自分はビクビクしながら O さんを見つめて「すみません。寝坊しました」っとなんとも苦しい言い訳をしました。O さんは「お前、何やってんだよ...」とか呆れた顔をしながら「早く着替えろ!」と自分に檄を飛ばしてきました。

自分は仮面ライダーのショッカーのように「イー!!」みたいな勢いで、言われるがままにスーツに着替えて O さんと一緒に会社へと向かいました。会社へ向かっている途中 O さんとはあんまり言葉交わしませんでしたが、そのとき O さんが言った言葉の中で「俺だって、キツイときはある。休みの日に公園のベンチでボーッとしているときもあるけど、ここで逃げたらダメだと自分に言い聞かせてるんだよね」っと慰めの言葉を自分にかけてきました。

もっとも、自分は「いやいや、キツイんだったらそのまま逃げてもいいでしょ?」っと反論しようとしたのですが、O さんの iPhone が鳴って、電話をし始めた O さん。

「カバオいましたよ家の中に」っとどうやら、先輩か T さんと話ししているような感じでした。自分はその話しを聞きながら益々気が滅入りながらも、めちゃくちゃ重い足取りのまま会社に向かいました。

会社に到着するなり、まず A さんがいました。そして A さんはゴミを見るような目で自分を見てきました。そして「よく来れたなお前w」っと呆れた顔をしながら言ってきてどこかに行ってしまいました。(もちろん自分は反論できない)そして、社員全体がいるフロアに行くとみんなが自分の方を見てきました。いわゆる『針のむしろ』状態でしたね。

そして、T さんが自分のところに来て、「お前何やってんだよ〜」と笑いながら言ってきた。今思うとなんで笑っていたか分からないが、この T さんは他人に対して一切期待しない人なんだなとこのとき思った。

その後、T さんを含めて先輩と O さんと自分の4人で『バーガーキング』に向かった。「昨日、ランチで来たところに4人で行くのはなんという偶然か」とか思いながらも、T さん含めみんなが自分を説得してきた。

「お前、ここで逃げたら一生逃げてしまうぞ!」っと言ってきた先輩や O さん。そんな2人の言葉を意に介さず「ごめんなさい。辞めます」と一点ばりの自分。そんなやりとりを何回か続けた後に T さんが重い口を開く「お前、ホントにいいんだな?このまま逃げっぱなしでもホントにいいんだな??」っと言ってきた。自分は黙って頷くと「分かった。好きにしろ」と言われて、その場で先輩と O さんとで今後のやり方についてミーティングが始まった。

自分はどうしていいか分からず、ボーッと立っていると「ああ、帰っていいよ」っと言われたので、深々とお辞儀をして帰った。

不動産屋を退職してから一週間後の動向

それから、一週間が経ち次の転職先は前回のブログでも出てきたブライダルの会社に出戻りすることになった。当時、営業マンが一人辞めるということで、「代わりにカバオやってみないか」と言われて「是非!」と承諾した。

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それから、久しぶりに Facebook を見てみると、なんと T さんから「今日何やってんの?」っとメッセージが来た。自分は恐る恐る「何もやってないです...」と返すと、「フットサルやろうぜ!」と返信が返ってきました。一体どんな罠が待ち構えているのかと思いつつも、自分は改めて謝りたいという気持ちもあって「是非、参加させてください」と返信した。

そして、代々木にあるフットサル会場に行くと、そこには T さんと先輩がいた。そして、その他に、T さんがプライベートで仲がいい友人の方が何人かいた。自分が到着すると T さんは「こいつ、うちの会社3日でやめたヤツww」みたいな感じで紹介されて、周りの友人も「自分、よく来たなーw」っと笑っていた。

もっとも、そのときの自分は言われるがままで、終始苦笑いをしつつ「本当に申し訳ございませんでした!」っと頭を下げた。そして、自分が転職先を決めたことを T さんに伝えると「ブライダルは儲からねーだろ??」と言われましたが「まあ、ガンバレよ」と言ってきました。

その後、先輩を交えて話しをしてるときにふと T さんが「そもそも、なんでお前辞めたの?理由ってなんだっけ??」と言ってきました。そこでハッと自分でもあることに気付きました。そして、T さんにボソッと言いました。

「自分でも分かりません(汗)」

これを聞いた、先輩は呆れた顔で自分の顔を見てて、T さんは爆笑してましたね。あまりにも馬鹿げたことを言っているなと自分でも認識していたので、本当に申し訳ない気持ちになったのを覚えています。

それからというものの、T さんとは1年〜2年に一度位はフットサルをご一緒させていただく奇妙な関係を続けさせてもらっています(笑)

不動産屋を退職してから思ったこと

この一件を機に自分は3つのことを思いました。

  1. 金で仕事を選ばないほうがいい
  2. 逃げるクセは直したほうがいい
  3. 人や物事に期待しないほうがいい

1つめは金で仕事を決めることも大事ですけど、やりがいや自分の身の丈に合った仕事を選ぶことのほうが大事だなと思いました。やっぱりお金で仕事を選ぶと結局続かないんですよ。もっとも、自分のやりたいことでもないことを続けるのって難しいと思うんです。これは、今の自分の年齢になって尚更思います。

2つめはあんまり逃げてばっかりいると自分自身に自信を持てなくなってしまうんですよね。闇金ウシジマくんでも「信頼は築くのは大変だが、崩れるときは一瞬にして崩れ去る」とマサルに話しているのを見て「まさにその通りだなー」と思いました。だから、自分はこの件を最後に極力物事を避けずに正面から受け止めるようにしました。

そして、3つ目はそもそも何かに期待して仕事をするよりは自分自身や他人に対して信頼を置いて仕事をしたほうがいいと意識するようになりました。仕事をしていると裏切られたりして損をするときもありますが、そんなときは最後まで信じきった自分を好きになればいいと今でも言い聞かせております。

この3つめは  T さんと話しをしているときに思いました。いわゆる「それはそれ、これはこれ」てきな感じですかね。T さんがいる会社はその後、上場までして一気に有名になりました。今では当時のような状況は考えられないくらい改善されたそうですが、自分にとってこの3日間は今後の人生に多大なる影響を残した黒歴史です。

でも、今となっては良い勉強をさせてもらったと思っております。

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