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東京インスパイア

都内で働く高卒リーマンの記録

【読書】ニューカルマ を読んだ感想

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最近、女優の清水富美加が『幸福の科学』に出家するとか言って話題になっていると思います。真偽はどうであれ芸能界と宗教は、密接に関係しているのは明らかですが、自分も含めて日本人は『宗教』というキーワードに少し抵抗があるかと思います。

また、清水富美加のニュースを見て『出家』の他に『入信』といったキーワードが出てきております。もっとも、当時者からすると『改心』とも言えるかと思いますが、他者から見れば『洗脳』という気キーワードになるかもしれません。

なので、今回の清水富美加について「『幸福の科学』の科学に洗脳された女(されていた女)」というような見方もできる訳でありまして、いわゆる『ソッチ系の人』という認識が一気に広まったんじゃないかなと思います。

ここでいう『ソッチ系』とは何かしら『洗脳』を経て加わっていくアンタッチャブル団体が多いのではないかと思います。清水富美加の場合は『幸福の科学』という宗教団体でしたが、その他に代表されるのは、いわゆる『ネットワークビジネス』や『MLM』・『マルチ商法』などと呼ばれる業界の団体ではないでしょうか。

 

今回ご紹介する『ニューカルマ』は、そんな『ネットワークビジネス』にハマっていく、一人のサラリーマンの話しでございます。この本のポイントは『洗脳』される側の人間が洗脳していく側の人間になっていく流れが詳細に分かるところなんですよね。

◯◯ウェイとか◯◯ース◯ンとかの実情もよく分かる今作ですが、ハッキリ言ってヤバいくらいに参考になりますので、紹介したいと思います。

構成

本書は、プロローグも何もなく突然に始まります。
また、途中のタイトルなども全くなく、ただ単に『一』から『五』までの章に分かれており、最後に『』が付いて主人公の最後に取った衝撃の行動で幕が落ちます。

あらすじ

主人公のユウキは、大手関連会社に勤めているサラリーマン。しかし、大手の関連会社とはいえ、社内でリストラが敢行されてしまい、さらに残業代やボーナスも出なくなり、将来に対して漠然と不安になっていく日々を過ごす。

 

そんなときに、学生時代の友人であるシュンから唐突に電話がかかってくるが、その内容がネットワークビジネスの勧誘だった。最初こそ、相手にしなかったユウキは、地元仙台に帰っていたときにとうとう電話に出てしまう。

 

この電話をキッカケにユウキの人生は、大きく変わっていくことになる...

 

ここは見てほしいところ<※ネタバレあり>

この本に付いては、絶対的に見て欲しいところが個人的にありまして、それは『五』の章の株式会社ニューカルマの代表取締役である木村聖人の化けの皮が剥がれる瞬間なんです。

 

事の発端は、ニューカルマが『タマバリ』による健康被害を隠蔽したまま販売していたとして、告発系のニュースサイトから槍玉に挙げられるところから始まる。

ユウキは、ニューカルマの中でもトップの存在だっただけに、他のメンバーからも不安の声が出てきていることに看過できず、思い切って木村社長に事の真意を問いただすんですよね。

 

最初はのらりくらり交わす木村社長ですが、ユウキの問答にとうとうキレてしまいます。どんな感じかというと下記のような感じです。

 

「タマバリもさ、むこうの市場でたまたま見つけたんよ。何か別のややこしい名前だったけど、俺がネーミングして、研究所に金払ってエキスにしてもらって。金に困ったポスドクの奴にさ、小遣いやって適当に論文とか書いてもらって。フランクセレクションの最高金賞もそう、高いんだよあれ。多分効くよ。自然のもんだから。俺は使ってねえけど」

「それで、何か問題あんの?」

「別にいいじゃんそんなの、使っている奴がそれでいいって言ってんだから。大事なことじゃないっしょ全然」 

「大事なことはお前が救われてるってことだろうが」

「タワーマンション住めて、皆からチヤホヤされて、そんで市長の友達見返せて」

「全部お前の望んでたもんじゃねえかよ、タコが。お前のしみったれた偽善で手に入んのかよそれ」 

「ウルトリアの石黒が嬉しそうにペラペラ話してたよ、おだてたら何でも言うこと聞いてくれる迷える子羊がいるって。言ったろ、業界狭いんだよ。あのハゲ、俺の犬なんだ昔から」

「いいも悪いもないんよ・・・世の中。腐ってんだからさ根本から」

「細かいことはいいんよ、そんなの。わかりやす大義なんよ、肝心なんは。竹田ちゃんさえ黙ってりゃ、みんな救われたまま、いい夢見れて、そんで幸せでいられんだから。ずっと」

 

ここでは、木村社長がマルチの本質を感情にぶつけてユウキに問うてきます。もちろん、他人の為にと頑張ってきたユウキからすると木村社長が言ってることは、メチャクチャです。

 

しかし、それと同時にユウキは、自分が救われたことを他人にも共有したいという想いが先行し過ぎて、自分が売っている商品の裏付けは出来ていなかったわけです。

なので、ここで初めてユウキは商品に救われたんじゃなく「救う」という文字を餌にして他人を幸せにさせることで自分が自己満足しているだけだったと気付いてしまいます。

 

こういう考えで商品を売るとなると正直なんでも売れると思いますが、やはり一番分かりやすいのはサプリメントとか化粧品になるんでしょうね。なので、久しぶりに旧友から電話が来て化粧品とか勧められて「人生変わるから!」なんて言われたら速攻でブチったほうがいいでしょうね(笑)

 

あと、全然話は変わりますが、ここの木村社長のキレっぷりを読んでいて、真っ先に浮かび上がった人物がいました。それは映画『冷たい熱帯魚』で残虐な殺人鬼『村田幸雄』を演じる俳優のでんでんの姿です。

 

 

多分、ニューカルマが映画化されたら、でんでんが木村社長を演じるのは間違いないでしょうね(笑)それくらい、どハマりしている感じがするんですよね。

もし、『冷たい熱帯魚』見たことない人がいたら是非見てみてください。自分が言ってる意味が分かると思いますから。ちなみに調べてみたら『冷たい熱帯魚』は、Amazon プライムビデオからも見れるみたいなんで、プライム会員だったら絶対に見るべしですね!

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感想  

個人的に著者の新庄耕さんの本って大好きなんですよね。以前も感想を書いた『狭小邸宅』も実は、新庄耕さんなんですよね。

 

www.tokyo-inspire.com


『狭小邸宅』もやばかったですが『ニューカルマ』も相当キレキレですね(笑)


この本を読んでいて、改めて思ったのが『自分の幸せ = 他人の幸せ』とは限らないということですね。あるキッカケでどんなに自分が幸せになれたとしても、必ずしもそれが他人に当てはまるとは限りません。

しかし、それと同時にそれで幸せになれるんだったら、それはそれでもう仕方ないとも思います。

 

冒頭で話した清水富美加の話しもそうですが、その時に置かれた状況次第で、人間なんてコロッと変わったりするもんです。ましてや、芸能人であれば一般の世界とは違いますからね。

 

すがる側もすがられる側もメリットがありまくりなんだと思います。

 

芸能人がいかに『洗脳』されやすいだということは以前書いたこちらの記事でよく分かるんじゃないかと思います。ちなみに今回の清水富美加の事件でなぜか PV が急上昇してましたね(笑)

 

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いずれにせよ、多くの人間は何かにすがり続けないと生きていけないと思いますし、そもそも、すがり続ける背景には『不安』『嫉妬』・『不満』などの利己的な考えが起因しているのではないかと思います。

 

もっとも、私の知り合いの『創価学会』の友達から言わせてもらえば「日本ほど多神教な国も珍しいんだよ」と言っておりましたが、神を複数選択して自分の都合のいいように許容出来る文化が根付いていることに、個人的には日本人の国民性を感じます。

 

しかし、そんな国民性を持った我々は、そもそも資本主義という国家の中で生きていますので、自分の利益(金)というものを優先することが多いのも事実です。しかし、ここで利益を大声で求めてしまうのもはばかれてしまう恐れがある場合、そのカモフラージュとしてネットワークビジネスやマルチ商法というものは、まさに打ってつけなのではないのでしょうか。

自分が以前書いたこの記事に出てくるヤスコはまさしくそんな奴でしたね。

 

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話しを戻して、おそらくですが、ネットワークビジネスというものは、今後も無くならないと思います。なぜなら、少なくとも一般的に見たら『偽善』と思っていても当事者たちは『正義』だからです。

これは戦争がこの世からなくならないものと似ているかもしれませんね。この『ニューカルマ』の最後を見ているとよく分かりますよね。最後は、とうとう親友のタケシにビジネスとして電話をかけるところで終わるんです。

この完読後のね。なんとも言えない残尿感をみなさんにも是非味わっていただきたいですね。