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東京インスパイア

都内で働く高卒リーマンの記録

【読書】どうして君は友だちがいないのか (14歳の世渡り術) を読んだ感想

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つい最近、数年前アドラーの教えをより分かりやすく解説して大ヒットとなった本『嫌われる勇気』が原案としてフジテレビがドラマをやっていると知ってビックリ。

しかも、香里奈の復帰作として注目されているにもかかわらず、視聴率が一桁ってことと、アドラー心理学会から放送中止の抗議文書が報道されたりと散々なコトになってて思わず笑えましたね。

まあ、とはいっても『嫌われる勇気』は自分も読んだことあるのですが、とても参考になる名著だと思っております。しかし、この本はどちらかというと現代を生きる悩みを抱えた社会人向けの自己啓発本と思ったのが自分の感想でした。

なので、もし『嫌われる勇気』に興味がある 10 代前半〜 10 代後半くらいの悩みある学生の方は、今回ご紹介する『どうして君は友だちがいないのか(14歳の世渡り術)』も参考になるかと個人的に思っております。

この本は、元大阪府知事であり元維新の会の代表でもあった橋下徹さんが書いたもので、恐らく政治家になる前のタレント時代に書いたものだと思いますが、これは本当に名著だと思います。

友だちとの人間関係やいじめが原因で悩める学生やそんな子を持つご両親などに読んでいただきたいと思っております。

構成

本書は、橋下徹さんが「この本を読むと、君はショックを受けるかもしれません。」という一言がまえがきとして始まります。各章の内容は、以下のとおり。
  • この本を読むにあたって
  • 第 1 章 友だちなしで生きてみる
  • 第 2 章 友だちと生きてみる
  • 第 3 章 実践!駆け引きして居場所をつくれ
  • 第 4 章 そして、さようなら
  • 終わりに人生は人と出会うように生きている

あらすじ

本書は、前述した橋下徹さんが世間一般的に認識している『友だち』という存在をとおして起こり得る、様々な問題に対して悩みを抱える少年少女に向けて書いております。

「友だちはためにならない」「親友を作ろうなんて頑張る必要はない」など、橋下さん独自の価値観が詳細に書いている本作。サブタイトルには『14 歳の世渡り術』と書いてあり「子どもなのに世渡りって...」っと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それは子ども社会に対して誤った認識をしています。

友だちや学校という狭いコミュニティでどのように生きていくかなどを具体的に書いております。

ここは見てほしいところ

個人的には『第 3 章 実践!駆け引きして居場所をつくれ』ですね。

この章の中で個人的に気に入った 2 箇所をピックアップしたいと思います。

 

いじめの現実を認識する

まず一つめは、この章の始めに『いじめ』についての認識を橋下さん独自の観点から、説明しております。ここで一番自分が共感したのが、子どもたちは自己保身のためにいじめているという本質を突きつけているところです。

 

子どもは、否応なしに学校という枠組みにまず組み込まれます。その後、自分にあったヒエラルキーに組み込まれていき、そのヒエラルキーに位置する友だちと行動を共にすることになります。

いわゆるグループとでもいいましょうか、子ども達は何らかのこのグループに属することで自分の居場所を確立することにより、安心して生活することができます。しかし、それは裏を返すと、このグループからツマはじきにされないように生活しているということでもあります。

ここでいうツマはじきとは、初期のものとして無視やいたずらなどから始まり、エスカレートしていくといじめになります。しかし、これはグループ内で起きていることですので、このいじめはグループで共有しているイベントのようなものであるのです。

 

残酷な話しですが、いじめとは大から小あると思いますが、このいじめが共有して成り立っているグループがあるのも事実です。なので、いじめをしている側からすると自分がいつかそのターゲットになるのではないかと気が気がじゃないですよね?

なので、ここで橋下さんは、いじめられないために自分もいじめるという行動をとる子どもに対して「自分を守りたからいじめるのであって、悪いのは自分のほうなのだと自覚してほしいです」と断言しております。

 

また、いじめられる側に対しても「もがいてはいけない」と話しております。

その理由としては、以下のように述べております。

 

僕のアドバイスを先に言ってしまうと下手にもがかないこと。これが一番です。どうしてかといえば、何か合理的な理由なり原因があって、君がヒエラルキーの上から下へと落ちたわけではないからです。

だから、グループの中でもポジションの移動をあれこれ分析する必要なんてまったくありません。自分に非があったからだとか、性格に何か問題があるからだと考えても意味がない。そこには明確な理由などないのですから。

 

 橋下さんが仰いますように、いじめって何か特別な理由があって起こり得る問題ではないんですよね。特別な理由がないことに対して、下手に勘ぐってもしょうがないということですね。

 

悩みや欲求などを細分化して優先順位をつけて対処する

二つめは、この章の中盤あたりで、『何かを得る為に何かを我慢する方法』ということを具体的に述べております。この方法について橋下さんは以下のように述べております。

 

自分の要求だけをつきつけても、すんなり通ることは稀です。じゃあ、どうするか。

自分が得るものと犠牲にできるものとを天秤にかけて、「これを得るためにはここまでだったら犠牲にできるな」と考えて、自分が犠牲にできるぎりぎりのものを見つけていくのです。

それには、まず自分が得たいものに優先順位をつけていくといいでしょう。こうすることで、自分が本当に何を求めているか、そしてそれを得るためになにをどこまで犠牲にできるかがよくわかってくるはずです。

 

この部分を見ていて、これは子ども社会だけでなく大人の社会でも使えるなと勝手に思ってしまいました(汗)また、より優先順位を客観視させるということで、以下のようなことを述べております。

 

たとえば、欲求が八つあったとしたら、いきなり一番を決めるのは難しいですね。

そこでまずは半分に分けてみましょう。優先順位が上のグループと下のグループに入るものをそれぞれ四つ決めるのです。

優先順位が上のグループに属している四つは君ができるだけ実現させたいと思っていることであり、残りは今のところ切り捨ててもしかたがないということ。こんなふうに考えるとスムーズにできるでしょう。

次に四つ残ったなかで、また半分に絞ります。ここまでくると、あとは簡単です。最後に残ったふたつのなかのどちらを優先させるかを決めるだけです。

 

自分は、この方法を読んでいて「いいな」と思ったのが、こうやって考えることで自分自身の欲求が主観的でなく、客観的に見ることができることだと思っているんです。

ちなみに橋下さんは、この方法を悩める子どもたちに教えているのですが、年齢的には大人の自分がこの部分を読んで感心してしまってますので、結局のところ大人も子どももあんまり変わらねーなっと思ったりもするわけです(笑)

もっとも、優先順位って、最終的に二者択一になるんですが、その最後の二つを選定するまでが意外と大変でもございますので、この方法は実践してみてもいいかもしれませんね。

感想  

自分がイメージしている橋下さんって、どちらかという厳しくて冷徹でキレッキレッなイメージがあったのですが、この本を読んでいると凄く親切な人なんだなと思いました。

14 歳くらいの少年少女って多感で不安定な時期でもありますからね。言葉で言い表すことができないヒエラルキーと、先生や友達から突きつけられる理不尽な現実に対して納得できなくても、属していたヒエラルキーからツマはじきにされないように『空気を読む』ということをイヤでも覚えていくんだと思います。

 

でも、一般的には、この「空気を読む」ということって、悪いことのように聞こえますが、橋下さんはこの本の 65 P で『スネ夫的生き方のススメ』と称して、周囲の力関係をよく見て動くことは、恥ずかしいことでもなんでもない。仕事だけでなく人間関係をスムーズに進めていく上で非常に重要なことだと仰っております。

 

もっとも、スネ夫の言動とか性格は、自分も鼻につくところではありますが、橋下さんが仰る通り、スネ夫の生き方とか考え方とかは参考にしてもいいかと思いました。

この『スネ夫的な生き方のススメは』は、橋下さんの少年時代から起因しているので、気になるかたはこの記事でも読んでみてください。

www.sankei.com

 

しかし、この本を読んでみて改めて思ったのが、大人が思っている以上に子どもの世界って大変だなと思いました。

 

実際、自分が高校生のとき、掲示板なるものがあって個人の誹謗中傷などが盛んに書かれたりしてましてね、自分もその餌食になったりしたもんです。

しかし、今の時代からすれば、掲示板なんてカワイイもんです。なぜなら line に Twitter、Facebook とかなんでもありだもんね。ホントに大変だと思います。

学校側もこういう実態を鑑みて「スマホを持たせなければいい」という方針を打ち出したりするんでしょうけど、結局そこを校則で縛ったところで問題の解決にはなりません。もっとも、実際にそれをやろうとすると保護者側が反対したりするもんだからどうしようもなかったりするもんです(笑)


話しを戻して、自分は政治家やタレントとしての『橋下徹』しか知らなかったのですが、この本は、ナチュラルな『橋下徹』の考え方に触れることができる貴重な本だと思います。

政治家時代の橋下さんは、報道陣や記者に対して厳しい発言をしたりして、テレビやメディアは、そこばかり取り上げておりました。だから『どこかコワい人・噛み付く人』のようなイメージがありましたが、、この本を読んで思ったのが、橋下さんは他人に厳しくする前に一番は自分自身に厳しい方なんだなとも思いました。

よく考えてみれば、この本もそうですが、関心するほど 14 歳の少年少女を取り巻く環境をよーくリサーチしております。そのうえで、橋下さんは橋下さんなりの最適解を出していると思います。例えば、この動画がいい例です。

  

 

このニュースの伝え方だと『鬼のような人』のように思えますが、これ裏を返せば、進路に悩んでる少年少女に対して、真剣に彼らと向き合って最適解を提案しているんですよね。

問題解決の前に問題の根本の全てを把握し、そのうえで当事者と目線を合わせて話すという橋下さんのこのスタイルは、逆にいえば相対する本人もその問題を深く理解してないといけません。

 

そんな徹底したスタイルを貫いている橋下さんのこの本は、ある意味で『14歳の指南書』でもあると思います。人間関係に悩んでたり、漠然としている将来に不安を抱えている少年少女、そんな少年少女の保護者の方は是非読んでみてください。