ここ最近、ようやく肌寒さを感じるようになってきたこともあり、徐々にではありますが、秋の訪れを感じるようになってきましたね。もちろん、秋といえば、昔から『食欲の秋』・『スポーツの秋』・『読書の秋』とか言われてたりすると思うんですが、今回は「読書の秋」について、「アウトロー系・裏社会系」のマンガを紹介したいと思います。
ええ?前回のブログから、約2週間近く経ってますよって?!
実は、仕事で東南アジアに行ったり、大きい商談があったりと色々と多忙な日々でしてね...。っと、言いワケは見苦しいので、この辺りにしときましょう(笑)
話を戻して、なぜ今回、紹介するジャンルが「アウトロー系・裏社会系」かというと、特に深い意味は無いんですが、自分は、昔からヤンキー青春マンガとかよりも、もっと世の中のドロドロした部分に興味があったので、あえて「アウトロー系・裏社会系」という言い方をしております。
自分で言うのもなんですが、メチャクチャ厳選して選んだオススメなので、よかったら参考にしてみてください。
「アウトロー系・裏社会系」オススメマンガ一覧
殺し屋1
あらすじ
現在、休刊中のヤングサンデーで連載されていた、超ド変態の裏社会マンガ。歌舞伎町界隈を舞台に、イチを操るジジイのグループと垣原率いる暴力団『安生組』の抗争を描いた作品。
異常性愛者であるイチと同じく異常性愛者である垣原が抜きん出たキャラクター性を持っていることでも話題なんですが、この二人が対峙するまでに様々なグロテスクな表現が描かれます。『アウトロー系・裏社会系』のマンガが初めてな人も、そうでない人も『殺し屋1』を見れば大体のグロなマンガは耐えられると思う。
見どころ
自分は、このマンガを通して、ジジイが一番変態だった気がするんですよね。色々と謎が多いキャラクターでしたが、最終巻の10巻でジジイが電話していた相手が「東京ハローひまわりテレフォン」だった時は、ゾッとしましたね。(これ、自分だけじゃないはず...)
裏社会にいる人間って何かしら異常性がある人間が多いと思うのですが、このマンガは、その異常性をオモシロくも恐ろしく描いている傑作だと思いますね。
余談
あと、『殺し屋1』って、たまに Amazon Kindle のセールで1円のときとかあるんで、そのときを狙って購入するのもアリかもですね。
新宿スワン
あらすじ
昔、週刊ヤングマガジンで連載されていた、スカウト会社『バースト』のスカウトマンである白鳥龍彦を通して、暴力団やギャングだけでなく、AV 事務所や警察なども複雑に絡みながら日本の裏社会で起きてきた事件や歴史などの物語を描いたマンガ。
作者の和久井健さんは、元々スカウト会社で働いていた経験があるらしい。
見どころ
このマンガも上の『殺し屋1』と同じく、新宿歌舞伎町を中心としているが、日本という国の欲望の縮図が描かれている気がします。個人的に、もっとも見て欲しいのは「 渋谷AV編」と「闇金編」ですね。
もちろん、真虎さんの壮大な復讐劇である「歌舞伎町ピカレスク編」もいいと思いますが、前述した2つのステージは、ただのアウトローなヤンキーマンガから裏社会の実態を分かりやすく可視化してくれるマンガへと変わっていったと思う。
風俗業と言われる業態の仕組みや AV 業界の仕組みなど、基本的な部分は抑えてくれているので裏社会の構造を知るためにもいい作品だと思う。
バウンスアウト
あらすじ
多人数の喧嘩にも怯まずバッタバッタと敵を倒していき「戦艦大和」の異名を持つ、大和壮兵。ある事件を起こして以来、刑務所から久しぶりに六本木に帰ってきた大和は、早々に暴走連合の襲撃事件に遭遇する。
この襲撃事件をきっかけに超野興業の超野豪からバウンサーをやらないかと勧められて、六本木を舞台に様々な物語を展開していく。
見どころ
上の新宿スワンなどでは、文字通り新宿が舞台だった。実際問題、新宿歌舞伎町は暴力団やギャングなどアウトロー達の悪の巣窟だった。しかし、2004年頃「歌舞伎町浄化作戦」が始まり、新宿が徐々に整備されようになった。その8年後の2012年に『六本木クラブ襲撃事件』起きてから、アウトロー達の分布図が大きく変わった(変わっていた)と多くの人が認識したんじゃないかと思います。
そんな、時代の移り変わりをリアルに反映したのが『バウンスアウト』だと思います。先に話した『六本木クラブ襲撃事件』の他に『東京ガールズコレクション』の裏側などを「RGCというコレクション」と変名させて、アウトロー達と上場企業の代表達の密接な関係などを分かりやすく説明している。
---追記---
▼こちらの記事も参考にしてみてください。
小出恵介の淫行事件から見るハニートラップで芸能人を陥れるアウトローの本質
GOLD(ゴールド)
あらすじ
南大阪の高校生、南昴・三沢耕太・周防直樹の3人の友情を描いた作品。高校生という多感な時期に将来の目的も特に見出すことができず、不安を覚える3人だが、大人になるにつれて、互いの価値観のすれ違いをキッカケにそれぞれの道を歩むことになる。
しかし、物語のラストに差し掛かるにあたって、複雑に絡み合っていく3人。喧嘩をすることで日々の不安を払拭してきた高校生が、将来や進路という具体的な現実に立ち向かっていくマンガ。
見どころ
今回、紹介する『アウトロー系・裏社会系』マンガの中で唯一、青春マンガに近いと言ってもいいと思う。自分がこのマンガを読んだのは、高校生くらいのときだったと思うが、主人公の昴の義理の兄貴である御吉十雲のアウトロー具合が分かりやすくてよかった。
特に『ロットン・アップルズ』を多国籍な暴力団組織に設定していたことも、今となっては、リアルで良かったと思う。個人的に、御吉十雲の「孤独を友にせよ」という言葉は、仕事で辛いときとかに思い出すと、今でも身に染みております(笑)
「高校生のヤンキーマンガは飽きたけど、もう少し刺激的なマンガを読みたい」という方にオススメしたい。
QP(キューピー)
あらすじ
「暴力大魔王」の意味を持ち喧嘩においても最強を誇る、主人公の石田小鳥が喧嘩三昧の日々から距離を置こうとするも、幼馴染で親友でもある我妻涼が、暴力や抗争が絶えない暗黒街の世界へと次第にのめり込むようになってしまい、とうとう抜け出せないところまでいってしまう。
上の『GOLD(ゴールド)』と同じく、高校生から大人になるに連れて、10代の若者がそれぞれの思いを馳せて成長していく。
思い出
大人気不良マンガ(自分もめっちゃハマった)『クローズ』や『 WORST』の作者でもある高橋ヒロシさんが描いたアウトローマンガ。個人的には、高橋ヒロシのマンガの中で一番好きなマンガですね。
自分がこのマンガを初めて読んだのって、小学6年生くらいのときだったと思います。石田小鳥が作っていたビニールテープを巻いた牛乳ビンを自作してたりしていましたね(笑)
見どころ
大人になって改めて見てみると、このマンガって物凄く悲しいマンガなんですよね。主人公の小鳥は喧嘩が強いだけで、実際は単純で純粋な男なんです。そんな小鳥は親友の我妻涼と小学生の頃からツルみます。
そして、中学になり鈴本幸三とツネと仲良くなるのですが、百田率いる上田秀虎を慕う者たちに数による喧嘩を仕掛けられ敗北します。このときに我妻涼の中で、暴力に対する考え方が 180℃ 変わるんです。
数による暴力を重要視するようになった我妻涼は高校になってから「壱年連合」という組織を結成。この辺りから、作者の高橋ヒロシさんが『クローズ』や『 WORST』では見せることのない、悲しくも切ないストーリーを展開していきます。(てか、マジで泣けます)
高橋ヒロシさんのマンガって、高校生活の男子の青春を描くものがうまいと思うのですが、『QP(キューピー)』は、そんな彼らが大人になった「その後」に主観を置いています。
特に、我妻涼の周囲がどんどんキナ臭くなっていく中でも、小鳥にだけは、親友として接していきます。小鳥も我妻涼のよくない噂を耳にするし、目の前にいる涼が少しずつ変貌していくのを不安に感じ、悶々とする毎日が続きます。そんなある日「壱年連合」が仕掛ける壮大な戦争に巻き込まれる小鳥は、距離を置いていた圧倒的な暴力を使って悲しい行動を取っていくんです(何回も言うが、マジで泣けます)
闇金ウシジマくん
あらすじ
闇金融「カウカウファイナンス」を運営している丑嶋馨と、金を借りに来る客とその関係者(家族・友人など)などを中心に人間の闇をリアルに映し出した作品。
ありえないほどの暴利(10日5割)で金貸しをする丑嶋だが、丑嶋の極悪人ぶりよりも落ちていった人間たちのドラマに思わず憂鬱な気分になる。
見どころ
『闇金ウシジマくん』ほど、裏社会を可視化したマンガはないだろう。自分の見どころとしては、特に「フーゾクくん」編はかなりオススメですね。容姿もイケてない瑞樹ですが、No.1 のホテヘル嬢なんですよね。この瑞樹の最後は、まさに以前のブログで紹介した『最貧困女子』を地でいくような内容となっております。
裏社会系のマンガというと、良くも悪くもアウトローな者たちが、身体を張って、知恵を絞り悪戦苦闘しながら生き抜くというものが醍醐味な部分でもあるのだが『闇金ウシジマくん』に出てくるキャラクターは、ほとんど落ちていった人が出てくるので、一般的な『アウトロー系・裏社会系』のマンガとは一線画すものとなっております。
なので「刺激」を求めるよりも「リアル」を求める人にはオススメです。
ザ・ファブル
あらすじ
ファブルという天才的な一人の殺し屋を中心に巻き起こる物語。こと「殺し」においては裏社会では伝説にもなっているファブルだが、その存在が明るみになることを恐れたファブルのボスが1年間、大阪で佐藤明という一般人として暮らすように命じる。
佐藤明として大阪で暮らすことになったファブルは、地元の暴力団である真黒組の庇護のもと一般人として暮らし始めるのだが...
見どころ
このマンガは、先の『闇金ウシジマくん』とは、打って変わり、比較的にほのぼのと読める。作者の南勝久さんの代表作である『ナニワトモアレ』・『なにわ友あれ』は見た事ないのですが、個人的には最近ハマっているマンガです。
特に殺し屋である佐藤の達観した考え方は読者を引き寄せる要素になっているのではないかと思います。殺し屋系がメインのマンガって結構陰険なイメージが強いのですが、この『ザ・ファブル』は、殺し屋から暴力を排除して、一般人にさせようとしているわけですから、そんな殺し屋から見た裏社会で生きている人間の内面を客観的にうまく描けていると思います。
なので、自分の見どころとしては、小島と砂川の抗争に若頭が下した判断ですね。これ以上言うとネタバレになるので言えないのですが、ここの部分を見ていると、去年見た『ヤクザと憲法』という映画を思い出しましたね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?このブログを書く前に『新宿スワン』と『ザ・ファブル』を試しに彼女に見せたのですが、結構食い入るように見てました。なので「『アウトロー系・裏社会系』のマンガって、意外と女性も好きなんじゃないかな?」っと思ったのもこの記事を書くキッカケになった次第です。
今後も、オモシロいと思う『アウトロー系・裏社会系』のマンガがあれば積極的に紹介したいと思いますのでよろしくお願いいたします。